相続とは、言うまでもなく、故人が遺した財産を誰かに帰属させるための制度であり、日本では、民法に規定が置かれています。
民法の相続制度の大まかな理念については、「遺族の生活の保障である」とか、「故人の意思の尊重である」などと、一応の説明をすることができますが、相続制度の具体的な中身は、必ずしも簡単なものではありません。
民法には、故人が遺した財産を「誰が相続するのか」ということについてのルールがあり(886条以下)、それらによれば、故人の配偶者や子は、原則として相続人となりますが、特別な事情があれば相続人から排除されてしまいます。一方で、その他の親族も、特定の条件が満たされた場合は相続人となります。
また、民法には、相続人が複数である場合について、どの相続人が「どれだけ相続するのか」ということについてのルールもありますが(900条以下)、故人が生前に一部の相続人に対して高額な贈与をしていたようなときや、逆に、一部の相続人が故人の資産形成に貢献していたようなときは、それらの事情を考慮することが認められていますので、具体的な配分は容易ではありません。
「誰が、どれだけ相続するのか」ということを、故人が、法で定められたルールによらずに、生前に作成する遺言(ゆいごん・いごん)で決めることもできます(遺産分割方法の指定・相続分の指定)。
遺言で、全くの第三者に遺産を与えることも可能です(遺贈)。
ただし、遺言にも、自筆証書遺言、公正証書遺言など、複数の種類があり、それぞれについて方式が定められていますので(967条以下)、それを守らなければ、無効となることもあります。
また、そもそも、制度上、故人の意思が絶対とされているわけではありませんので、遺言によって、「誰が、どれだけ相続するのか」ということを指定しておいても、後に、その指定が覆されることもあります。
例えば、故人の配偶者や子などについては、故人の遺した財産の一定割合を、遺言の内容にかかわらず、受けとることができるとされています(遺留分)。









