兄弟がいる人への相続プラン:相続前、相続時、相続後の重要ポイント

兄弟がいる場合の相続では、様々な問題が発生する可能性があります。トラブルを未然に防ぎ、円滑な相続を実現するには、相続が発生する前、相続時、相続後のそれぞれの段階で重要な点を押さえておく必要があります。

 

相続が発生する前の重要ポイント

 

1-1. 遺言書の作成

相続前に親が遺言書を作成しておくことは、のこされた子供達である兄弟間のトラブルを防ぐために非常に重要です。遺言書で被相続人の意思を明確にしておけば、兄弟間の不公平感を解消できる場合があります。ただし、遺言を作成するにあたっては、一定の要式性が求められます(民法960条)。また、遺言には自筆証書遺言(968条)、公正証書遺言(969条)、秘密証書遺言(970条)といった複数の種類があり、後から効力が否定されないためには、専門的知識が求められます。

1-2. 生前贈与の明確化及び寄与分の把握。

被相続人が生前に推定相続人である、兄弟に生前贈与(549条)を行っていた場合、その利益が考慮され相続分が算定されます(民法903条)被相続人が生前に特定の兄弟に多額の贈与をしていた場合、他の兄弟が不公平感を抱くことがあります。このようなトラブルを防ぐには、生前贈与の内容を明確にしておくことが重要です。

一方で、推定相続人が被相続人の行う事業の手伝いや、介護などの世話を行った場合は、その貢献も考慮された上で相続分が算定されます(民法904条)。その考慮を寄与分といいます。寄与分も相続人間で問題になることは少なくありません。

1-3. 不動産の共有問題の検討

実家の不動産を兄弟で共有(民法249条参照)することは、トラブルの種になりやすいです。共有を避ける内容で遺言を作成するのも一つの方法です。

 

相続時の重要ポイント

 

2-1. 遺言書の確認

被相続人が遺言書を残していた場合、その内容を兄弟全員で確認することが重要で

す。遺言書を保管していた者及び遺言書を発見したものは、家庭裁判所において検認という手続きを経る必要があります(民法1004条1項)。遺言書の内容に不明な点があれば、弁護士に相談しましょう。

2-2. 遺産の評価

相続財産を適切に評価することは、兄弟間の公平性を保つために重要です。不動産や

有価証券などの評価は、専門家に依頼することをおすすめします。不動産の価格の算定方法は、路線価によるものや、不動産鑑定を行う方法など複数方法があります。どのような方法が適切かは専門性が伴います。

2-3. 遺産分割協議

兄弟間で遺産分割の話し合いを行う際は、遺産分割協議書を作成し、合意内容を明確に定める必要があります。

 

相続後の重要ポイント

3-1. 遺産分割協議書の履行と弁護士の活用

遺産分割協議書に基づいて、遺産の分割(民法907条参照)や名義変更などの手続きを進めていきます。

手続きの漏れがないよう、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。弁護

士は、法律知識に基づいて適切な手続きを提案します。

3-2. 税務申告と弁護士の連携

相続税の申告は、期限内に適切に行う必要があります。税務申告は専門的な知識が必

要となるため、税理士に依頼することをおすすめします。弁護士と税理士が連携する

ことで、スムーズな申告が可能となります。

3-3. トラブル発生時の弁護士の活用

相続後に様々なトラブルが発生する可能性があります。例えば、兄弟間で遺言の内容に不満がある場合、遺留分侵害額請求(民法1416条)や遺言無効確認などの手続がとられる場合があります。また、相続財産の管理や処分をめぐって、兄弟間で意見が対立するケースもあります。

このようなトラブルが発生した場合は、弁護士に相談することが重要です。弁護士は、法的な観点から問題点を整理し、解決策を提案してくれます。例えば、調停や審判、訴訟といった法的手続きを通じて、兄弟間の利害調整を図ることができます。また、弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いが可能となります。

相続トラブルは、放置すればするほど深刻化する傾向があります。トラブルの兆候を感じたら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士の適切なアドバイスを得ることで、問題の拡大を防ぎ、円滑な解決を目指すことができます。

兄弟がいる人が相続を円滑に進めるには、相続前、相続時、相続後のそれぞれの段階で重要な点を押さえておくことが大切です。特に相続後は、弁護士の活用が鍵となります。遺産分割協議書の履行、税務申告、トラブル発生時の対応など、様々な場面で弁護士の専門的なアドバイスが役立ちます。

相続問題は複雑で専門的な知識が必要とされます。相続問題に悩まれている方は、ぜひ弁護士への相談をおすすめします。

この記事は弁護士が監修しております。

東京中央総合法律事務所 弁護士 河本憲寿(東京弁護士会所属)
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