相続の開始について⑤

前回は,普通失踪により失踪宣告を受けるための要件(要素,条件)について説明しました。

今回は,特別失踪により失踪宣告を受けるための要件について説明します。

 

特別失踪による失踪宣告は,死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が,危難の去った後1年間明らかでない場合に,利害関係人の請求により,家庭裁判所が審判によって行います(民法30条)。

これらを各要件ごとに分解すると,家庭裁判所が審判を行うには,①死亡の原因となるべき危難に遭遇した不在者の生死が明らかでないこと,②生死不明状態が危難の去ったときから1年間続いていること,③利害関係人の請求があることが必要となります。

 

①の死亡の原因となるべき危難については,条文上,「戦地に臨んだ者,沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難」と規定されています。

戦争や船舶の沈没は死亡の原因となるべき危難の例示にすぎず,これらの原因に限定する趣旨ではありません。

 

③「利害関係人」は,普通失踪の場合と同様,不在者に対して失踪宣告をすることにつき法律上の利害関係を有する者をいいます。

 

次回は,失踪宣告の効果について説明します。

この記事は弁護士が監修しております。

東京中央総合法律事務所 弁護士 河本憲寿(東京弁護士会所属)
東京中央総合法律事務所 弁護士 河本智子(第二東京弁護士会所属)
東京中央総合法律事務所 弁護士 片野田志朗(第二東京弁護士会所属)
東京中央総合法律事務所 弁護士 藤原寿人(東京弁護士会所属)
東京中央総合法律事務所 弁護士 森崎善明(第一東京弁護士会所属)