無職者の休業損害1

これまで、給与所得者や家事従事者、役員等の休業損害についてみてきました。
今回は、無職者の休業損害について説明します。

「休業損害について」において説明したとおり、休業損害とは、交通事故の被害に遭い、就労できない期間が生じたことにより、現実に生じた減収を保障するものです。
交通事故の被害に遭う以前から収入のないのであれば、交通事故の被害に遭ったことによって減収が生じたとはいえず、無職者の休業損害は認められないのが原則となります。

しかしながら、交通事故の被害に遭った当時、就労していなかった理由は様々であり、交通事故が発生した時点において就労していなかったという事実をもって休業損害が発生する余地はないという結論を貫くと、不都合が生じます。

そのため、裁判実務においては、例外的に、無職者にも休業損害の発生が認められることがあるという取扱いをしています。

どのような場合に無職者に休業損害が認められるかについては、次回、説明いたします。


 

この記事は弁護士が監修しております。

東京中央総合法律事務所 弁護士 河本憲寿(東京弁護士会所属)
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