預貯金債権は遺産分割の対象となるか

最高裁大法廷は、平成28年12月19日決定(判タ№1433 44頁)において、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる、と判断しました。

従来、家庭裁判所の実務の大勢として、原則として遺産分割の対象とはならないが、共同相続人全員の合意がある場合には、遺産分割の対象となるとしてきたので、本決定は実務に大きな影響を及ぼします。

本決定の考え方は、ゆうちょ銀行の定額貯金のほか、その他の金融機関の定期預金・定期貯金にも及ぶものと考えられています。他方、相続開始前に被相続人に無断でその預貯金を払い戻した場合に発生する不当利得返還請求権等については、本決定の射程外です。また、既に確定している遺産分割審判等に影響を与えるものではありません。